7月に先進8カ国首脳会議(G8サミット)が、北海道で開催される。世界中のトップが集まって、何を議論するのか。環境?食糧?経済?開発?・・・。議題は色々あるようだが、簡単に言えば、「もっと、もうけるためには、どうすればよいのか」だろう。
G8サミットに参加する国々をみれば、アメリカ、イギリス、フランス、ロシア、カナダ、日本、ドイツ、イタリアであり、4カ国は国連常任理事国だ。世界経済を支配し、近年の多くの戦争に関わってきた国々でもあり、戦争と民営化を推し進める、新自由主義国家とも言える。
だから、サミットの議題は、各国の利害を左右するものとなっているのだ。環境問題はアメリカを先頭に、環境を無視して生産活動をし、地球を汚染しまくっている。おたがいに、どこまで地球を汚染できるかを話し合うだけだ。
実際、アメリカは、二酸化炭素排出量が、4分の1もあるが、京都議定書から離脱し、地球温暖化の原因は「自然現象だ」と居直っているし、今年2月に発表した「温室効果ガス削減」を2025年まで、やらないと宣言した。つまり、地球環境よりも「金もうけ」を優先したのだ。
飢えより金もうけ
「食糧問題」が大きな焦点になってきている。世界中で飢餓状態に陥っている人々が数多く発生しているのだ。この原因はどこから来たのか。世界の穀物生産は既に、過去最高を記録しており、供給量は十分にある。食糧不足ではないのだ。
問題は、投機である。サブ・プライムローン問題で、資金が証券市場から穀物市場に移動し、バイオ燃料の原料として、注目がある食糧への投機で、金もうけをしているのだ。その資金は、証券会社や銀行、保険会社が運用している。
05年からの3年間で、小麦の値段は3.3倍、トウモロコシと大豆が2.5倍に値上がった。とりわけ、昨年夏以降の上昇は急激で、発展途上国の貧困層は「生きれない」状況になり、「食糧暴動」となっている。
アフリカ各国では、食糧と燃料の値上がりに抗議する「暴動」が発生。カリブ海のハイチでは、食料品の高騰に怒った市民による「暴動」で、警察官を含む7人が死亡。エジプトでも1枚5ピアストル(約1円)の「政府補助金パン」が不足し、他の食料品が倍以上に値上がりする中、ストやデモが頻発している。フィリピンでも、コメ価格高騰に対する大規模なデモが起きている。
明日食べる食事もない人々が多くいるのに、燃料にされる食糧。もうけるためには、餓死者などでてもかまわないのが、先進諸国の姿勢なのだ。
強盗会議のサミット
サミットでこれらの問題を真剣に議論すれば、「まともな答えがでる」と、思ってしまうが、残念ながら無理だ。各国の利害を出し合い、どこまで、労働者から奪い取ることができるかを打ち合わせるだけの、まさに「強盗会議」なのだ。しかもこの強盗会議は、人殺しの戦争も、議論してしまうのだ。
イラク戦争やアフガニスタン戦争、イラン問題、北朝鮮問題などすべて、戦争と背中合わせの論議だ。戦争や金もうけのための会議などいらないのだ。
労働者の団結で闘おう
6月29日には、動労千葉が呼びかけるサミット粉砕の集会が代々木公園で開催される。同集会は労働者が職場で資本と闘い、G8首脳に労働者の団結した力と、隊列を見せつけようというものだ。
新自由主義に反対し、「生きさせろ」の叫びを叩きつけよう。
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